ふくおかこども食堂ネットワークとは
福岡市で子ども食堂が開設され、活動が始まってから約8年。この間、子ども食堂は、学校、公民館、地域などと連携し、子どもの見守り機能を果たす重要な場所となりました。それが、新型コロナウイルス感染の拡大により、立ちゆかなくなる子ども食堂が出てきました。開催自体ができなかったり、感染の恐れがあったり、食堂ができないなら配食をと身銭を切ってきた結果です。
もともと、子ども食堂は、資金が潤沢にあるわけではありません。NPOや地域の方たちが自主的にしているものです。助成金や補助金、寄付金から食材を購入していますが、少ない活動費を節約するため、フードバンクを利用して食事を提供してきました。そこにコロナです。子どもたちの生活実態がつかめない心配、感染拡大を防ぐため、少ない活動費からお弁当を作って配食を行ったり、食品を買って配食したりしてきました。しかし、人数分そろえるのには経費がかかり、手持ちの資金を切り崩さざるを得なくなりました。
またコロナにより、もともとあった子どもの課題が浮き彫りにもなりました。命に係わる緊急支援が必要な子どもに加え、朝ご飯を食べてこない子ども、一人ぼっちで過ごしている子ども、家族の世話のために学校にいけない子どもがいました。子ども食堂はそうした子どもに気づき、公民館、学校、スクールソーシャルワーカーと連携し、子どもとその家族への支援に結びつくようにしてきました。しかし、こうした子どもたちに加え、コロナによって、学校行事がなくなって気持ちを発散させるチャンスを失ったり、人に会うのが怖くなってしまったり、家のことで悩んでいるのに誰にも話せない子どもたちが出てきました。虐待の通報件数が激増したことは、新聞等の報道でご存じの方も多いと思います。
本来子どもは、エネルギーの塊です。それなのに、思いっきり走ったり、しゃべったり、できない。背中に生えている翼をもぎ取られたような、そんな感じになっています。その様子を、地域の子ども食堂さんたちは、じっと見ています。何かしてやれないのか、と。
子ども食堂が地域で果たす役割は、とても重要になっています。潰してしまうわけにはいきません。
そこで、2020年9月に、ふくおかこども食堂ネットワークは立ち上がりました。子ども食堂がより求めている食材を手配し、配送することによって、子ども食堂さんへの時間や経費の負担を減らす。そのためには、助成金、補助金を申請して食材を購入する。子ども食堂を孤立させず、必要な情報を伝え、互いの連携を深めるための情報提供や情報交換会を行う。企業様からの申し出をお伝えし、子ども食堂がより豊かになるようご活用いただく。子どもたちが食事をするだけでなく、心を豊かにし、未来に希望を持つことができるよう、子どもへの学習支援や体験的学習を提案する。こんなことを目的にしています。一人でも多くの方に、ご参画いただけると嬉しいです。
代表あいさつ
今、たくさんの子どもたちが、何者でもない自分を受け止めてくれる、地域での受け皿を求めています。かけっこが遅くても、勉強ができなくても、何ができようができなかろうが関係ない。あなたは、あなたのままで価値がある。
そう言ってあげられるのは、戦後の混乱期から、高度成長期を経てバブルがはじけ、お金があった時も、それを失った時も知っている大人。アナログからデジタルの時代を暮らしてきた大人です。「そげなんこと、あるたい。よかよか」。そう自然と言葉に出る大人の存在は、競争や比べられることをずっとされている子どもたちにとって、とても貴重です。子どもは私たちの未来です。子どもたちが豊かであることは、私たちの未来を豊かにします。私たちと一緒に活動をしてくれる仲間、私たちを応援してくださる方たちを、募っています。
ふくおかこども食堂ネットワーク
代表 雪田 千春
団体概要
名称 | ふくおかこども食堂ネットワーク |
代表者 | 雪田 千春 |
設立 | 2020年9月 |
所在地 | 〒819-0054 福岡市西区上山門1-2-41 NPO法人いるか内 |
業務内容 | 子ども食堂・子どもの居場所への ・食品提供、資金調達(助成金申請やクラウドファンディング等による活動資金調達) ・情報提供 ・企業連携(子ども食堂への情報提供、企業との連携) ・子どもの居場所・学習支援 ・体験的学習の提案 |
沿革
2018年 | 西部子ども食堂ネットワーク立上げ(事務局:NPO法人いるか)。福岡市の西部地区(西区、早良区)の子ども食堂で立ち上げる。地元企業や、食品企業、生協等からいるかが集めた食品を、子ども食堂へ配布開始する。 |
2020年 9月30日 | ふくおかこども食堂ネットワーク立上げ。コロナ禍で経済的、人的に立ち行かなくなる子ども食堂が出てきたことに対し、エリアを福岡市全体及びその近郊市町村に支援の輪を広げたネットワークを立ち上げる。目的は、食品配布、必要な情報の提供、子ども食堂相互間の情報共有、体験的学習提供による子どもの居場所充実(事務局:NPO法人いるか)。 |
2021年 1月 | NPO法人いるかの倉庫を借り、本格的に食品の集荷・配送を開始。週1日から始め、週3日に活動を始める。(例:カルビー株式会社提供お菓子:1月~3月 57,168食配食) |
2021年 3月 | 令和2年度農林水産省販路開拓販路多様化緊急対策事業採択(NPO法人いるかによる)、地元のマトウダイフィレー、キャベツ等を配送。 |
2021年 4月 | クラウドファンディングReadyforで100万円達成。 |
2021年 8月 | ふくおかこども食堂ネットワーク立上げ記念シンポジウム開催(九州電力共創館)。計60名参加(オンライン含む)。ネットワークに所属する子ども食堂が34団体に。 |
2022年 2月 | 福岡市環境局家庭ごみ資源課より、市内フードドライブ開催時における食品をいただく。 |
2022年 9月 | 福岡ライオンズクラブからのご支援決定。食品やボランティア提供など、ご協力をいただくことに。2022年 3月第6回子供の未来応援ネットワーク事業助成金採択決定 |
収支報告
2021年度収支報告書(PDF 2KB)
2020年度収支報告書(PDF 2KB)